働くことのそうだんじょ
世の中には働きたい気持ちを持ちながらも悩みを抱え、仕事への道を模索する若者がいます。
若者、企業、そして若者をサポートするスタッフ。三者の物語を紐とけば、今という時代が少しくっきり見えてきます。

—お二人のお仕事内容を詳しく教えてください。

image001 広野ゆい(以下、広野):私はカウンセラーとして勤務しています。カウンセリングではコミュニケーションを取ることが苦手だったり、先々を見通して動くのが難しく就職に自信をなくしている方たちにお話しを伺って、それぞれの特性に合わせてどうすればいいのかを一緒に考えています。
とはいっても、いきなり「就職」を目指すのではなく、求職者の方に合ったセミナーをお勧めして、フィードバックをもらいながら「気がついたら就職していた」という状態を目指しています。
image003 宮治正裕(以下、宮治):私は求職者と企業をつなぐ役目です。例えるなら、川に橋を作るのが私の仕事。川のこっちにいる求職者をあちら側の企業さんにつなぐのです。サポートステーション(以下、サポステ)では求職者にまず自分がどういう職種・業種に就きたいかをヒアリングして、それに近い職種・業種で仕事体験をしていただくんですが、企業さんに飛び込みで営業して、サポステをご説明させていただく企業開拓もしています。

—支援しているなかで大切にしていること、日頃心がけていることは何ですか?

広野:利用者は「ほかの人と同じようにできないとダメだ」と思っている方が多いんですよね。だからカウンセリングは「できなくていいんだ」と思うところからスタート。 できないことにはエネルギーを使わないように工夫して、「できることを探そう」というお話をします。

あと、仕事をしたいと言って来たけど本当はまだ心の準備が整っていないという人も結構多いんですよ。私は求職者の本当の気持ちが出てきた時がスタートだと思っているので、表面的な言葉だけではなくて、本心を引き出すことを大切にしています。相談に来る方は「仕事」という言葉を聞いただけで緊張しているので「仕事ってそんなに大したことないよ」と伝えたり、親がプレッシャーになっている場合は「親の言うことは聞いてもいいけど、自分で決めたらいいんだよ」とも伝えています。

みなさん今まで親の「付属」になっていたり、世間が指標になってしまっていて、自分が主役で生きてないんです。 でもここに来たからには、自分が主役になって、生きてもらいたい。 だから「あなたが主役なのよ」とお伝えしているんです。いつも求職者に「サポステにたどり着いてくれてありがとう」と思いながらカウンセリングしています。

宮治:私の場合、カウンセラーが面談して求職者の意欲や仕事に対する意識が変わってきた段階で面談しますが、いつもていねいにお付き合いすることを心がけています。 例えば、仕事体験に行くのも地図を渡すだけではなくて、見学や仕事体験の初日と最終日は必ず付き添う、など。

最初は特に緊張してますので和みを入れながら話をして、帰りは「缶ジュースでも飲もうか」と声をかけて。 時には昼飯を一緒に食べることもあります。 サポステではカウンセラーと利用者という立場がありますが、私は一緒に外に出るから電車の中など「横並び」でお話するので、ある程度親近感があるかなとは思いますね。 ただし怒る時は怒りますよ。例えば遅刻したら「面接で遅刻したら、面接官は会ってくれないよ。それは社会の常識だよ」と、そのぐらいは言いますけれど。 image005

—この仕事をしていてよかったな、と思う瞬間は?

広野:仕事体験やセミナーを受けてもらってフィードバックをもらうことを繰り返しているうちに、本人の中から「仕事を探そう」というエネルギーが出てくる瞬間があって、その場に立ち会えることですね。もちろん「絶対にその力がある」と信じるところからがスタートなんですけれど。

宮治:一旦就職しても継続が難しくて、途中でやめてしまって、しばらくブラブラして戻って来る子がいるんです。その後セミナーを受け仕事体験をして、希望の職種についたことがありました。ある日、その彼がわざわざ報告に来てくれましてね。ポテトチップスを買ってきて「これ、お礼です」って、コンビニの袋に入ったまま渡してくれた。彼もやっと自分の希望のところに勤められたから、嬉しかったんでしょうね。私もちょっとうるっときて、握手して「よかったなー」って言い合ったことを覚えています。 image007

—おふたりがサポステで若者支援するに至った経緯を教えてください。

広野:これまで秘書や営業職、財団の事務局で働いてきましたが、その中で自分自身がいろんな失敗をしてきたんです。失敗した人じゃないとわからない気持ちってあるじゃないですか。私は失敗を繰り返して今に至るから、できない人の気持ちがわかる。カウンセラーは今までの経験が全て役にたつという素晴らしい仕事。これまで色んな仕事に就きましたが、はじめて自分がやるべき仕事だと思って勤めています。

宮治:実は私も波乱万丈でね。(笑)以前は銀行で営業をしていましたが、ご縁があり転職しまして、総務部で15年ほど人事担当をしていました。ところが会社が閉鎖となり、その後高校生の就職希望者の採用の支援する事業所に就職となりました。採用されるためにどういう話をすると担当者が興味を示してくれる、などといったアドバイスをしたり。自分自身も求職者だった時期もありましたから、振り返ってみると採用する立場、採用される立場の両方を経験したことになります。 こういう経験を踏まえてサポステでも求職者にあれこれアドバイスをさせてもらっています。

—サポステはどういう場であるべきでしょう?

広野:サポステは仕事に対しての恐怖感を何とか「一緒に乗り越えよう」という場所。仕事を探すことだけを目的とした機関とは全然役割が違うと思うんですよ。仕事に就くとみなさんどんどん元気になって、生き生きして、自分の力でやっていくので、そこに行くための道のひとつ、かな。いわば本人が自分の人生を生きていくためのスタート地点になれる場所ですね。それでもでこぼこがあって、できないことがある若い人はいっぱいいますから、多少でこぼこがあっても、受け入れて仕事ができる環境を社会がつくっていかないといけない。これからは若者支援と同時に企業へのアプローチをして、両者をつないでいく役割は必要だなと思います。

宮治:そうですね。言われたことをコツコツとまじめにやる若者が多いので、企業様にはこういった若者の本質をご理解いただいて、良い面を見ていただいきたいです。社会参画のブランクがあってもそれを乗り越えて、就職したいと思っている方を紹介しているので、こうした気持ちを汲んでくださる企業様をたくさん募りたいですね。 image009

—最後に若者にメッセージをお願いします。

宮治:就職うんぬんとはいわず、まずは見学でもいいので覗いてください。 はじめはアルバイトでもいいと思うんです。何らかの働くかたちがとれれば、次は正社員にステップアッ プもできる。ひとつでも成功事例を積んでいって階段を上っていただきたい。 そうすると自らの成長にもなると思います。

広野:サポステはそうした「最初の一歩」として来るには最適の場所。家族に連れて来られる方も多いで すが、話を聞いたら一緒にここでやろうという気持ちになってくれる人がたくさんいます。 とにかく「繋がる」ことが大事だと思いますので、ひとりで悩んでいないでぜひ来てくださいね。

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「来てくれてありがとう。」
そんな気持ちで待ってます。
大阪府若者サポートステーションスタッフ
宮治正裕さん 広野ゆいさん
02
自分を変える第一歩
踏み出した2人の若者のお話
株式会社日清精工 スタッフ
柴山 祐二さん 本多 満さん
03
採用と定着に向けて
企業がサポステを利用したワケ
株式会社日清精工 代表取締役社長
岩谷 清秀さん
お気軽にお問い合わせください。06-4794-9200